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被爆死画学生の思い感じて 平山美術館 風景や人物など30点

 広島と長崎で被爆し亡くなった画学生2人の作品による企画展「無言館所蔵作品による ふたりの被爆画学生展―手島守之輔・伊藤守正―」が30日、尾道市瀬戸田町の平山郁夫美術館で始まった。同館と中国新聞備後本社主催。7月22日まで。

 油彩や水彩の風景や人物、静物の絵を中心に約30点を展示。海の向こうに浮かぶ島々や、岩にぶつかる白波といった風景、落ち着いた色使いの女性の顔などを題材にしている。2人は平山画伯と同じ東京美術学校(現東京芸術大)で絵画を学び、竹原市出身の手島は広島で、東京出身の伊藤は長崎で被爆し、翌年9月までに亡くなった。

 長野県上田市の戦没画学生慰霊美術館無言館の所蔵品。無言館の窪島誠一郎館主(80)は「当時の若者たちの芸術への思いが原爆によって奪われた。作品を見て心の中にあった思いを感じてほしい」と話す。

 会期中無休。入館料は一般920円、高大生410円、小中生210円。(持田謙二)

(2022年5月31日朝刊掲載)

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