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段原の街 変遷捉える 60年代から住民撮影 公民館で200枚展示

 約40年にわたる再開発事業が本年度で完了予定の広島市南区段原地区の移り変わりを約200枚の写真で振り返る「なつかしの段原・東雲界隈(かいわい)写真展」が、南区段原山崎2丁目の段原公民館で開かれている。25日まで。

 段原地区は比治山の陰となって原爆被害を免れ、古い街並みが残った。写真展には、1960年ごろから昨年まで住民10人が撮りためてきた作品が並ぶ。

 67年に撮影された段原本通商店街は人や車の往来がにぎやか。88年の商店街の写真は楽しそうに歩く女子学生を捉えている。かつての目抜き通りは、再開発で、国道2号とJR広島駅を結ぶ幹線道路に姿を変えた。

 民家の軒先をかすめるように走る旧国鉄宇品線の列車は、廃線3年前の83年の撮影。他にも、再開発で取り壊される前の市営住宅や銭湯、路地を自転車で駆け抜ける子どもの姿などの写真が並ぶ。

 来場した藤井誠子さん(73)は再開発で約20年前、段原中町から霞1丁目に転居した。「子どもと宇品線の列車をよく見に行った」と懐かしんでいた。

 写真を提供した段原2丁目の写真店経営小浦孟さん(80)は「かつてのにぎわいを多くの人に知ってほしい」と話した。段原公民館Tel082(281)3792。(新山京子)

(2013年11月7日朝刊掲載)

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