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[G7サミット ヒロシマへ] 「首脳と被爆者 対話を」 広島知事が要請へ 来月に準備組織(2023広島サミット)

 2023年に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、広島県の湯崎英彦知事は31日、出席する首脳と被爆者との対話の場を設けるよう政府へ要請する考えを示した。「核兵器の非人道性をしっかり認識してもらうのが非常に重要だ」と強調。県や市、広島商工会議所などは7月に「広島サミット推進協議会」を設け、受け入れ準備を本格化させる。

 湯崎知事は記者会見で、ロシアのウクライナ侵攻を機に国内外で核抑止の拡大を巡る意見がある中、核保有国の米国、英国、フランスを含むG7首脳が被爆地で原爆被害の実態を学ぶ重要性を指摘。「被爆者と対話する意義は極めて大きい。こうした場を設けるよう、国に強く働きかけたい」と力を込めた。

 県や市はサミットに合わせて平和記念公園(中区)に首脳を迎え、原爆慰霊碑への献花と原爆資料館の見学をしてもらう案も持つ。今後の政府との協議を通じて実現を求める構えだ。

 また湯崎知事は、サミットを機にした広島の景観や食の魅力の発信による県全体への経済波及効果に言及した。広島商議所の池田晃治会頭も31日の会見で「新型コロナウイルス禍で厳しい思いをした観光、飲食業が発展できる」と来訪者の増加に期待を寄せた。

 サミット開催支援へ官民でつくる推進協議会は、事務局を商議所ビル(中区)に置く予定。市はこの日公表した22年度一般会計補正予算案に協議会の負担金1億4千万円を盛り込んだ。7日開会の市議会定例会に提案する。県も同規模を補正予算案に盛り込む方向で調整している。

 市によると、16年に三重県であった伊勢志摩サミットの費用を参考にした。22年度はサミットを知らせる懸垂幕やバナーの用意、節目の行事、広島の魅力を伝えるホームページ作りなどを想定している。(永山啓一、山本和明、川上裕)

(2022年6月1日朝刊掲載)

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