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広島市中央図書館 移転計画 建て替え 中央公園内で 3団体 市に要望 資料室拡充も

 広島市中区の中央図書館などをJR広島駅前の商業施設エールエールA館(南区)に移す市の計画で、市民団体「広島文学資料保全の会」など3団体は1日、中央図書館の中央公園内での建て替えや広島文学資料室の拡充を求める要望書を市に出した。

 同会の土屋時子代表と「鈴木三重吉赤い鳥の会」の長崎龍深会長、被爆作家の原民喜を顕彰する「広島花幻忌の会」の原時彦顧問たちが市役所を訪ねて提出した。中央図書館をエールエールA館に移さずに建て替え、約3万2千冊を備える広島文学資料室を充実させて活用を図ることなどを求めている。

 土屋代表は「文学資料を寄贈した私たちにも十分な説明がなく、資料の散逸や消失も心配。関係者から広く意見を聞いてほしい」と要求。対応した市生涯学習課の田尾雅之課長は、市民の理解を得て移転先を決めるとした市議会の決議を踏まえ「市民の意見を聞いて整備方針をまとめ、皆さんに利用してもらえる図書館を目指したい」と話した。

 3団体は4月から、中央公園内での建て替えなどを求めて署名活動を展開。6日には3800筆以上の署名簿を添えて市議会に請願書を出す予定でいる。(余村泰樹)

(2022年6月2日朝刊掲載)

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