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[核兵器禁止条約 第1回締約国会議] 核被害者 残さず援助を NGO代表らが提言策定

 核兵器禁止条約の第1回締約国会議が21~23日にオーストリア・ウィーンで開かれるのを前に、日本の非政府組織(NGO)の代表者や大学教授たちが提言をまとめ2日、記者会見を開いた。広島、長崎の原爆被害や世界各地の核実験被害の実態を踏まえ、核被害者を漏れなく援助することなどを求めている。

 提言は、締約国会議の会場での配布などをする予定。核兵器の使用や実験による被害者への援助と環境修復、国際協力について定めた条約の6条と7条に焦点を当てて作成したという。10項目の勧告では、核被害者については「誰一人取り残さない」よう援助することを要望している。

 また、議論の中心に被害当事者を据える「被害者参加の原則」や「核被害地への訪問」にも取り組むよう締約国に求めている。

 提言の策定には13人が参加。うち8人がこの日、オンラインの記者会見で概要を説明した。広島市の松井一実市長や広島県の湯崎英彦知事、被爆者たち220人以上が賛同している。

 策定に携わったピースボート共同代表でICAN(アイキャン)国際運営委員の川崎哲(あきら)氏は「提言では、核被害についてジェンダーや、人種主義、植民地主義などの差別と密接に結びついていることも記した。核被害の経験や知見のある日本からの提言が具体的に生かされることを期待したい」と話した。(小林可奈)

(2022年6月3日朝刊掲載)

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