×

ニュース

ライトスタンドを解体 広島の旧市民球場跡 一部 ベンチに

 広島市は2日、旧市民球場跡地(中区)に長く残っていたライトスタンドの解体作業を公開した。スタンドの座面の一部は、跡地南側にある「勝鯉(しょうり)の森」近くに設ける憩いの場のベンチとして活用する。

 残っていたスタンドは高さ6メートル、幅35メートル、奥行き22メートル。5月30日から作業を始め、この日は作業員5人がプラスチック製の座面のボルトを外して撤去し、重機で土台のコンクリートを壊した。2週間ほどで解体を終えるという。

 解体後は状態の良い38メートル分の座面を使い、カープの優勝記念碑などがある勝鯉の森北側にベンチを造る。3段の階段状で36人が座れる設計にする。座面は塗り直さず、表面を研磨して色合いを残す。イベント広場が跡地に開業する2023年3月末までに整備する。

 旧市民球場は1957年に完成し、08年まで半世紀にわたって広島東洋カープの本拠地だった。市民団体などの要望を受け、市は09年に被爆地復興の象徴としてライトスタンドの一部を残すと決めた。球場の大半は12年に解体を終え、市は20年にベンチとして活用する方針を固めていた。

 市都市機能調整部は「座面を生かしたベンチに座ってもらい、この場所に球場があったことや球場での思い出を語り継いでほしい」としている。(新山創)

(2022年6月3日朝刊掲載)

年別アーカイブ