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核疑惑解消へ成果焦点 岸田氏とイラン外相 あす会談

 岸田文雄外相(似顔・広島1区)は9日、核兵器開発疑惑のあるイランの首都テヘランを訪れ、ザリフ外相と会談する。被爆地出身の外相として、疑惑解消に向けた行動をイランに促し、具体的な成果が得られるかどうかが焦点になる。

 外相のイラン訪問は4年半ぶり。ザリフ氏はイランの核交渉責任者で、核問題が会談のメーン議題となる見通し。会談終了後の9日午後(日本時間9日夜)、両外相は共同記者会見に臨む予定でいる。

 8月に誕生し、核問題の解決に積極姿勢を見せるイラン・ロウハニ政権。核問題について欧米など6カ国や国際原子力機関(IAEA)と協議を進める。外相会談直前の7、8日にはスイス・ジュネーブで6カ国とイランの実務者会合があり、外務省は「良い流れの中での会談になる」と期待する。

 日本はイランと伝統的に友好関係にある。さらに岸田氏は、日本イラン友好議員連盟の事務局長を昨年12月の外相就任まで務めた。

 岸田氏はこうした時期や関係を生かし、「核兵器のない世界」に向け、被爆国としてリーダーシップを発揮したい考え。安倍政権が掲げる「積極的平和主義」をアピールする狙いもある。(藤村潤平)

イラン核問題
 2002年、イランの過去18年にわたる核開発計画を在米の反体制派が暴露した。国際原子力機関(IAEA)は11年、イランの核兵器開発疑惑を指摘。米欧など6カ国とイランの協議が行われてきたが、軍事転用の恐れがある濃縮度約20%のウラン製造停止を要求する6カ国側と、核の平和利用の権利承認を求めるイランとの溝は埋まらなかった。13年9月に対話路線を掲げるイランのロウハニ大統領とオバマ米大統領の電話会談が実現するなど交渉進展の期待が高まっている。

(2013年11月8日朝刊掲載)

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