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戦没者追悼 新たな式典 山口県防府市 遺族高齢化受け開催

 山口県防府市が主催する初の「戦没者追悼式」が7日、同市戎町のアスピラートであった。従来は遺族会などが慰霊のための招魂祭を毎春開いていたが、遺族の高齢化が進むことなどを理由に市が新たな追悼の場を設けた。

 式には約300人が参列し、黙とうに続いて、松浦正人市長が「平和の尊さを語り継ぎ、恒久平和の実現を目指す」とあいさつした。市連合遺族会の行本素二会長は「平和と繁栄を守り続けることが私たちの使命」と強調。参列者は献花台に白い菊の花を手向け、手を合わせた。

 市連合遺族会などは毎春、市内の護国神社などで慰霊のための招魂祭を開いてきた。会員は現在約750人いるが、戦没者の妻たちは高齢化が進む中で次第に減っている。

 招魂祭に協力してきた市自治会連合会が昨年5月、遺族の高齢化などを理由に幅広い市民が参列できる追悼式の開催を市に要望していた。行本会長は「戦争を知らない世代が増えている中で、市が追悼式を開いてくれたことに感謝する」と話していた。(川村奈菜)

(2013年11月8日朝刊掲載)

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