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[核兵器禁止条約 第1回締約国会議] 核廃絶へ「声を届ける」 被爆者や大学生 現地入り前に会見

 オーストリア・ウィーンで21~23日に開かれる核兵器禁止条約の第1回締約国会議や関連イベントを前に、現地入りする被爆者や大学生が7日、オンラインで記者会見した。ウクライナ情勢を背景に核兵器使用のリスクが高まる中、被爆体験の証言や集会などで核兵器廃絶を訴える決意を強調した。

 締約国会議に先立ち、現地では非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))」が18、19日に関連イベントを開催。20日には「核兵器の非人道性に関する国際会議」をオーストリアが主催するなど、さまざまな催しが予定されている。

 会見には、日本被団協やピースボート、核兵器廃絶日本NGO連絡会など13団体の代表者が出席した。日本被団協の木戸季市事務局長(82)と家島昌志代表理事(79)は、ICANのイベントや若者たちの集会に参加する予定だ。広島で被爆した家島代表理事は自身ががんを患ったことを踏まえ「核兵器は使ってはならないものだと訴えたい」と力を込めた。

 日本政府は締約国会議への参加には後ろ向きだが、非人道性に関する国際会議に代表団を派遣する。被爆者として木戸事務局長とともに加わる「核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委員会」の朝長万左男委員長(79)は、核兵器保有国などが条約に否定的な態度を示している現状を踏まえ「被爆者の声を届けることが必要だ」と語った。

 外務省の「ユース非核特使」の任命を受けて現地入りする慶応大4年で、核兵器廃絶を目指す若者でつくるノーニュークストーキョーの高橋悠太共同代表(21)は「世界と連帯し核兵器廃絶を進めるための方法やつながり、熱い思いを日本に持ち帰りたい」と意気込んでいた。

 ICANのイベントには、広島の被爆者でカナダ在住のサーロー節子さん(90)がオンラインで参加する。新型コロナウイルス感染予防のため渡航しない。(小林可奈)

(2022年6月8日朝刊掲載)

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