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「核抑止頼らぬ平和な世界を」 広島の高校生大使3人が決意

 高校生平和大使に選ばれた広島県内の3人が8日、広島市役所で記者会見し、平和への願いを発信する決意を語った。ウクライナ情勢を背景に核兵器使用のリスクが高まる中、全国から選ばれた他の大使28人と国連欧州本部(スイス・ジュネーブ)に核兵器廃絶を訴える署名を届ける。

 3人は、国泰寺高3年の荒川彩良(さら)さん(17)=広島市中区=と、県立広島高2年の岡本依純(いずみ)さん(16)=尾道市、広島大付属福山高1年の西川繭可(まゆか)さん(16)=福山市。高校入学時に名古屋市から転入した荒川さんは「広島の平和への意識の高さに衝撃を受けた。核兵器の抑止力による平和はもろく危ういことがロシアの脅しで分かった」と力を込めた。

 岡本さんは広島での被爆時に刺さったガラス片が曽祖父の体内に残っていた話を紹介し「同じ世代の平和への関心を高めたい」と強調した。小学生の時から大使に憧れていたという被爆4世の西川さんは「核兵器がなくても平和な世界ができると訴えたい」と話した。

 広島、長崎両市の市民団体「高校生平和大使派遣委員会」が募集した。過去2年は新型コロナウイルス感染拡大の影響でジュネーブ派遣を中止している。25代となる本年度は11日に広島市西区で結団式を開き、8月の派遣を目指す。これまで200万人分以上の署名を届けており、8月に長崎市で大使経験者が集う25周年の記念集会を計画している。(川上裕)

(2022年6月9日朝刊掲載)

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