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「特定失踪」山口で調査 元工作員も同行

 北朝鮮による拉致問題に取り組む民間団体「特定失踪者問題調査会」(東京・荒木和博代表)は8日、拉致された可能性がある特定失踪者5人の現地調査を山口県内で始めた。31年前、長門市に侵入した元北朝鮮工作員が初めて同行した。2011年6月に始めた集中調査の一環で、10日まで。

 同行したのは1982年に長門市青海島にボートで上陸し、他の工作員を連れ帰った李相哲さん(仮名)。この日は90年に下関市豊浦町の自宅近くで買い物後に消息を絶った河田君江さん=当時(23)=の失踪関係先を調査会のメンバー6人と一緒に訪れた。

 河田さんの車が発見された同県阿武町の海沿いの駐車場では、李さんは自身の拉致関与を否定しながらも「工作員が上陸するのに適した場所だ」などと指摘。李さんが上陸した青海島や、72年に別の工作員が脱出した萩市の東萩海岸も訪れた。

 9、10の両日は87年に山口市で失踪した西村京子さん=当時(25)=をはじめ、同市や宇部市などで失踪した男女4人の関係先を調べる。(門戸隆彦)

(2013年11月9日朝刊掲載)

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