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広島市上空に米軍機か 8日夜 ごう音に苦情相次ぐ

 広島市中心部の上空で8日夜、米軍の戦闘機とみられる複数の航空機が通過する様子が市民に目撃された。中国四国防衛局は「米軍機の可能性が高い」とし、9日、米軍岩国基地(岩国市)に航空機の飛行時は住民への影響を最小限にとどめるよう要請した。

 西区のパート女性(43)は8日午後9時15分ごろ、自宅マンションで「ゴー」というごう音を聞いた。「夜9時台にこんな音を聞くのは初めて。落ちてくるんじゃないかと怖かった」と振り返る。東区の主婦(62)も同じ頃、ごう音を聞いたといい「恐ろしい。市街地の上を飛ぶのは、異常だとしか思えない」と憤った。

 広島市平和推進課には、9日夕までにメールや電話で騒音に対する苦情が38件寄せられた。広島県国際課にも同様の苦情が2件あった。これらのうち複数の人が、5機前後の航空機が北側から南方向へ飛び去る様子を見ていたという。

 中国四国防衛局は、県や市民からの問い合わせなどを踏まえ、岩国基地に飛行の際の「安全面、騒音面への最大限配慮」などを要請した。岩国基地報道部は中国新聞の取材に「保安上の理由により、運用についての詳細は言及しない。われわれの飛行運用に付随する騒音が、地元の方々にもたらすかもしれない不都合は遺憾に思う」と回答した。

 岩国基地には今月、米空軍のステルス戦闘機F35Aとみられる18機が飛来。周辺で訓練を繰り返している。市民団体「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県住民の会」の西浦紘子事務局次長(77)=廿日市市=は「F35Aの飛来以降、騒音が増えている。今回の飛行も関連があるかもしれない」と警戒を強めている。(永山啓一、衣川圭)

(2022年6月10日朝刊掲載9

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