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岩国からも不安の声 米のオスプレイ墜落 「基地飛来中止を」

 米カリフォルニア州で米海兵隊の輸送機MV22オスプレイが墜落し4人が死亡した事故を受け、米軍岩国基地(岩国市)の周辺住民や市民団体に9日、不安が広がった。海軍のオスプレイが岩国基地に2026年までに配備される計画もあり、飛来の中止を求める声が相次いだ。

 「改めて危険であることが証明された」。基地監視団体リムピース共同代表の田村順玄さん(76)は憤る。米海兵隊のオスプレイは米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備された12年10月以降、岩国基地に頻繁に離着陸している。この日も午後6時までに2機が離着陸した。「国内の米軍基地の中継地となっている。飛来を中止するよう求める」と語気を強めた。

 普天間に配備後、米軍から国を通じて岩国市に飛来の情報提供があったが、19年8月からは「運用上の理由」で途絶えている。市民団体「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」の久米慶典顧問(66)は「市と住民は、きちんと飛来の実態を把握する必要がある」と訴える。

 戦闘機の騒音を巡り、周辺住民たちが国に損害賠償を求め、年内にも起こす第2次訴訟でも、オスプレイの離着陸の差し止めを訴える方針だ。第1次訴訟で原告団長を務めた津田利明さん(76)は「爆音だけでなく、墜落や部品落下の危険にさらされている。各地で事故を起こすオスプレイは飛ぶべきではない」と話した。(川村奈菜、有岡英俊)

(2022年6月10日朝刊掲載)

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