×

ニュース

ウクライナ 身近な問題に 神戸学院大・岡部教授、邑南で講演 歴史的な背景を解説

 ウクライナ研究で知られる神戸学院大経済学部の岡部芳彦教授(48)が10日夜、邑南町の田所公民館で講演した。ロシアによる侵攻をテーマに、歴史的な背景を解説。身近な問題として捉える大切さにも触れた。(鈴木大介)

 岡部教授はウクライナ研究会の会長を務める。ロシア外務省が発表した63人の入国禁止の対象者リストにも含まれている。

 講演では、ロシアのプーチン大統領の偏った歴史観が侵攻の背景にあると指摘。昨年7月にプーチン大統領が発表した論文で「ウクライナの主権はロシアとのパートナー関係でこそ可能」などと記していることを紹介し、一つの民族だという歴史観があると説明した。ロシアがクリミア半島を強制編入した2014年から、戦争は続いているとし、「ウクライナでの戦争を正しいと信じるロシア人は多い」と語った。

 日本とウクライナの共通点としてロシアとの領土問題に言及。北方領土での交流イベントに関わった経験を基に、「安全保障や領土問題を自分ごととし、関心を持つことが大事」と呼びかけた。

 ウクライナ支援を巡っては、難民や復興など対象別に募金先が分かれていると説明。「教育の中で支援の在り方を考える機会を設けることで、現地を知るきっかけになる」と助言した。

 講演は平和学習会として町内の12公民館でつくる町公民館連絡協議会が主催。町民約60人が参加した。

(2022年6月12日朝刊掲載)

年別アーカイブ