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「熱い気持ち 伝えたい」 NGO関係者ら 出発前にイベント

 オーストリア・ウィーンで21~23日にある核兵器禁止条約の第1回締約国会議を前に、現地を訪れる非政府組織(NGO)の関係者たちによる事前イベントが13日、広島市中区であった。長崎市などとオンラインで結び、新型コロナウイルス禍で渡航を断念した被爆者が参加。会議への期待や関係者に託す思いを語った。

 NPO法人ANT―Hiroshima(中区)とピースボートが主催。会場には被爆者たち約15人が集まった。8歳で被爆した小倉桂子さん(84)は「日本が条約に参加しないのが悲しい。世界の声を集めて政府の背中を押してほしい」と話した。被爆者の田中稔子さん(83)は「核兵器のない平和な世界に向け、新たなヒントを得て次につなげてほしい」と求めた。

 現地でフォーラムを開くNGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))の川崎哲(あきら)国際運営委員(53)は会議のポイントを解説。「被爆者から熱い気持ちを頂いた。自分の言葉で伝えたい」と力を込めた。

 ANT―Hiroshimaやピースボートでつくる核兵器廃絶日本NGO連絡会は17~24日、核兵器廃絶への思いを日本国内から届ける「核禁ウィーク in Japan」も催す。核実験被害の勉強会など多彩な企画を予定。19~23日は「ウィーンから生中継!カクキン会議速報」と題し、現地の夕刻に合わせ日本時間午前2時から30分間、その日の様子を報告する。特設サイトhttp://2022banweek.nuclearabolitionjpn.com/ で紹介している。(余村泰樹)

(2022年6月14日朝刊掲載)

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