×

ニュース

フクシマ支援 表彰 安佐南区の高校生復興派遣隊 「ボランティア・スピリット賞」中四国賞 

 広島市安佐南区を拠点とする「高校生災害復興支援ボランティア派遣隊」が、プルデンシャル生命保険など主催の「ボランティア・スピリット賞」で中国四国ブロック賞に選ばれた。東京電力福島第1原発事故で避難した住民の仮設住宅を訪ねる取り組みが評価された。(馬場洋太)

 3月に10人で結成した。現在は広島、福山、大竹市の中高生や教員、学生たち約30人にまで輪が広がった。

 3~8月の計4回で延べ約60人が、貸し切りバスで福島県の南相馬市、伊達市などを訪れ、1~3日間滞在した。仮設住宅では被災者とお好み焼きを作り、高齢者には難しい換気扇の掃除も手伝った。がれきの撤去作業は、専門家の助言に従って特殊マスクを着け、放射線の影響を最小限に抑えた。

 旅費は街頭募金などで賄った。食材や清掃用具などは、賛同する広島県内の企業から提供を受けた。

 世話役を務める県立西高の日上雅義教諭(47)は2011年と12年、被災地を訪れた。交流をさらに深めるため派遣隊を発案。広島市社会福祉協議会を通じて参加者を募った。

 市立広島工業高2年沖本優太君(16)は既に3回、訪問した。若者世代は事故後に街へ出てしまい、仮設住宅は高齢者が目立った。沖本君は「話が合うか心配したが、テレビで一緒に高校野球を見るだけでも喜ばれた。今後も話し相手になりたい」と意気込む。

 計画では12月と来年3月にも仮設住宅を訪れる。日上教諭は「仮設住宅がなくなるまでを当面の目標に訪問を続けたい」と話す。

 中国四国ブロック賞は派遣隊を含め6団体が選ばれた。今月30日に高松市で表彰式がある。12月23日に東京で全国表彰式もあり、40団体・個人の中から最優秀の文部科学大臣賞などが発表される。

(2013年11月10日朝刊掲載)

年別アーカイブ