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外相、核リスク増「懸念」 「核なき世界」へ行程重要

 林芳正外相(山口3区)は14日の記者会見で、減少傾向が続く世界の核弾頭総数が今後10年で増加に転じる可能性を指摘したストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の報告書について「懸念を持ちながら注視している」と述べた。岸田文雄首相(広島1区)が掲げる「核兵器のない世界」の実現に向け、その行程を示しながら核軍縮を進めていく必要性を訴えた。

 SIPRIが13日発表した年次報告書によると、米ロなど各国が持つ1月時点の核弾頭総数は1万2705発で、前年同期から375発減った。林氏は、この点については「前向きに捉えている」と歓迎した。

 ロシアが核兵器でウクライナを威嚇している状況などを踏まえ、SIPRIが世界的な核増加の可能性を示したことに対し、林氏は「唯一の戦争被爆国として核兵器のない世界に向けた国際社会の取り組みをリードしていく」と語った。

 具体的な道筋に関しては、先のアジア安全保障会議での岸田首相の講演を念頭に「核兵器のない世界という理想に結び付けるロードマップをしっかり示しながら、現実的な核軍縮を進めることが重要だ」と訴えた。(樋口浩二)

(2022年6月15日朝刊掲載)

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