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首相「全力で成果出す」 NPT会議の重み強調

 通常国会の閉会を受けた15日の記者会見で、岸田文雄首相(広島1区)は、8月に米ニューヨークの国連本部で開かれる核拡散防止条約(NPT)再検討会議について「意義ある成果が収められるよう全力で取り組む」と述べた。核兵器保有国を交えた「現実的な核軍縮の枠組みだ」と評してきた再検討会議の重みを改めて訴え、加盟各国による合意を目指すとした。

 核兵器保有国と非保有国が核軍縮の道筋を探る再検討会議に関し、首相は「国際的な核軍縮・不拡散の礎石だ」と述べた。NPT加盟国でもあるロシアがウクライナに核威嚇を続ける状況などを踏まえて「(合意への)道のりは大変厳しい」としながらも、被爆国として参加国との調整に尽くす構えを示した。

 外相時代に参加した前回2015年の会議では、イランの核問題などを背景に交渉が決裂した。今回、日本の首相では初となる出席に向け調整しているとみられるが、その点は明言せず「(会議の)成功に向けてどうあるべきなのか真剣に考えたい」と述べた。

 核軍縮を巡って首相は、年内に世界の政治指導者を招く「国際賢人会議」、23年には先進7カ国首脳会議(G7サミット)をいずれも被爆地広島で開催。NPT再検討会議の収穫を弾みにしたい考えでいる。(樋口浩二)

(2022年6月16日朝刊掲載)

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