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核軍縮と救済 後押しを 被爆者6団体 広島市長に要望

 核兵器禁止条約の第1回締約国会議(21~23日・オーストリア)と核拡散防止条約(NPT)再検討会議(8月・米ニューヨーク)に向け、広島の被爆者6団体は15日、被爆地を代表して核軍縮や核兵器の被害者救済の進展を促すよう求める要望書を、広島市の松井一実市長に提出した。

 要望書は、締約国会議で主要議題となる被害者の救済に向け、市が被爆者援護のノウハウを提供することや、岸田文雄首相にオブザーバー参加を進言するよう要求。NPT再検討会議では、ウクライナ侵攻や核兵器による威嚇をやめるようロシアに求める決議の採択や、核大国が核軍縮を議論する場づくりを岸田首相に提案するよう求めている。

 市役所で要望書を手渡した広島県被団協の箕牧智之理事長は「被爆地代表として被爆の実態や広島、長崎の訪問を訴えてほしい」と述べた。もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長は「日本での黒い雨被害者の救済を伝え、世界の核被害者の援護につなげてほしい」と期待した。

 平和首長会議の会長を務める松井市長は締約国会議に出席するため、19日から渡航。NPT再検討会議は、8月6日の平和記念式典と日程が重なるため渡米しての参加はしない。松井市長は「核兵器廃絶や被害者援護の議論を進展させるため、締約国会議のスピーチで被爆地の思いを届けたい」と応じた。(余村泰樹、新山創)

(2022年6月16日朝刊掲載)

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