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「ひきょうだ」憤る団体 脱原発団体にメール攻撃

 「姿を見せずに活動をまひさせようとしている。ひきょうな行為だ」。大量のメール攻撃にさらされた各地の脱原発団体の関係者は10日、怒りをあらわにした。

 上関原発建設計画がある山口県上関町では、計画に反対する同町祝島の少なくとも2個人・団体で被害が出た。

 反対活動を紹介するホームページ(HP)「STOP!上関原発!」は9月18日、他の反原発団体のアドレスを使ったメールマガジンの購読申し込みが繰り返しあった。管理者の国弘秀人さん(51)と反原発団体の双方に大量の確認用メールが届いた。国弘さんは「千通以上あった。混乱を広げようとしたのか」と憤る。登録の受け付けを翌19日に停止。今も再開できていない。

 「上関原発を建てさせない祝島島民の会」(清水敏保代表)もHPで公開しているメールアドレスを悪用された。原子力資料情報室(東京)や別の反原発団体のメールマガジンに勝手に購読を申し込まれ、確認用メールが7千通以上も届いたという。

 松江市の「さよなら島根原発ネットワーク」では9月以降、HPを通じて架空の入会申し込みが大量にあった。他の脱原発団体などのメールアドレスが申込者の連絡先として使われ、事務局には入会確認のメールが殺到。逆に、アドレスを悪用された他団体には入会に感謝する旨のメールが自動的に送信され、拡散した。

 現在、入会申し込み欄はHPから削除しており復旧のめどは立っていない。事務局の芦原康江さんは「脅迫文が届いたことはあるが、こういう嫌がらせは初めて。活動のために復旧させたいが、他団体に迷惑をかけかねない」とこぼす。

(2013年11月12日朝刊掲載)

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