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島根原発 JRを使い避難訓練 2県6市 障害者も初参加

 島根県は10日、中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)の事故に備えた原子力防災訓練を原発30キロ圏の鳥取県、両県6市などと合同で開いた。両県の住民835人の30キロ圏外への避難に、初めてJRの列車を利用。障害者施設の入所者も初めて加わった。

 送電線トラブルで同原発2号機が冷却機能を喪失したとの想定。両県と松江、出雲、雲南、安来、米子、境港の6市に加え、両県警や自衛隊、中電など計約60機関の約1900人が参加した。

 最初に避難を始める原発5キロ圏の予防防護措置区域(PAZ)に住む103人は、原発の南約38キロの島根県奥出雲町民体育館へバスで避難。残る6市の732人も主にバスで各市内のホールなどに向かった。

 このうち列車で避難した境港、米子市の73人は、JR境線の臨時列車を使用。境港駅(境港市)など4駅から乗り込み、米子駅(米子市)へ移動した。

 原発東約5・5キロの障害者施設「松江学園」「はばたき」(ともに松江市)では、入所者10人と入所者役の11人がバスと自衛隊車両などで奥出雲町の公民館に搬送された。

 ヘリコプターを使った要援護者の搬送は、悪天候のため昨年度の訓練に続き中止となった。訓練後、島根県の溝口善兵衛知事は「気象条件に対応できるよう準備することが課題」と述べた。

 訓練は5日の初動確認に続き本年度2度目。両県は事故の際、30キロ圏の約46万9千人を広島、岡山県を含む中国地方4県69市町村へ避難させる計画だが、詳細な避難場所は公表していない。(樋口浩二、明知隼二、秋吉正哉)

(2013年11月12日朝刊掲載)

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