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[2023広島サミット]広島サミット 5月後半 政府、月内発表向け調整 首相「核なき世界」碑前で訴え

 政府が広島市で来年開く先進7カ国首脳会議(G7サミット)について、5月後半の開催を検討していることが18日、分かった。G7メンバーの欧米諸国に打診しており、各国の意向を踏まえて最終判断する。岸田文雄首相(広島1区)は、核兵器を持つ米国、英国、フランスを含むG7首脳と平和記念公園(中区)の原爆慰霊碑の前で「核兵器のない世界」に向けた決意を示すとみられる。(樋口浩二)

 関係者によると、政府は来年のサミットの日程について、5月後半の数日間とする方向で検討を進めているという。G7各国の了承が取れれば、今月26~28日にドイツ・エルマウで開かれるサミットに合わせて発表できないか調整中だ。

 開催日程は、通常国会後の6月以降も検討したが、中国地方の梅雨入りが平年6月6日ごろで天候が崩れやすい点などを考慮し、5月後半の開催が浮上した。日本で前回開かれた2016年の伊勢志摩サミット(三重県)は5月26、27日だった。

 現職米大統領として初となったオバマ氏の広島訪問は16年5月27日。広島市でのサミットが政府の意向通りの日程で開かれれば、現大統領のバイデン氏が原爆投下国トップとして7年ぶりに平和記念公園を訪れることになる。

 議長役の岸田首相は、ロシアがウクライナに核の脅しを続ける情勢を踏まえ、核兵器使用の脅威を被爆地広島から発信する意義を強調。G7首脳たちによる被爆者との面会や、原爆資料館の視察も各国に働き掛ける考えを示している。

 広島でのサミット開催に向けては、外務省がドイツサミット後、速やかに準備事務局を設置。関係省庁から職員を集め、議題設定や各国要人、報道関係者の受け入れに関する調整を広島県・市などと進める。

 政府は外相会合など広島でのサミットに関連して開かれる閣僚会合の開催地選定も本格化させ、早ければ7月中に決定する方針でいる。

G7サミット
 先進7カ国(G7)首脳が参加する国際会議。日本、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダがメンバー。欧州連合(EU)も加わり、経済や外交、安全保障などを議論する。冷戦終結後にロシアも参加していたが、2014年のウクライナ南部クリミア半島強制編入により排除された。議長国は持ち回りで、今年はドイツで開催する。日本は1979年の東京開催以来、過去6回議長国を務めた。2000年は沖縄県、08年は北海道、16年は三重県で開催した。

(2022年6月19日朝刊掲載)

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