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会議前にウィーンで学習会 非人道性の訴え共有 各国の若者、被爆者と対話

 21日に始まる核兵器禁止条約第1回締約国会議に合わせ、開催地のオーストリア・ウィーンに集った各国の若者たちが17日、事前学習会に臨んだ。核と環境問題の解決を目指す若者たちのグループ「リバース・ザ・トレンド」(米国)などの主催。広島で被爆した日本被団協の家島昌志代表理事(80)=東京=たちの証言を聞き、条約がうたう核兵器の非人道性について学んだ。(小林可奈 ウィーン発)

 アイルランド大使館であった学習会には、日本や米国、フランス、核実験の被害に遭ったマーシャル諸島などから約50人が参加した。3歳の時に牛田町(現広島市東区)の自宅で被爆した家島代表理事は「爆風で家中のガラスが飛び散り、母の体中に刺さった」などと説明。「核兵器の使用も辞さないとするロシアの姿勢は新たな人類の危機をはらんでいる。核兵器は決して人類と共存できない」と廃絶を訴えた。

 高校生平和大使として派遣された近畿大付属広島高福山校3年の大内由紀子さん(18)=福山市=は核兵器がなくなるまで行動し続けようと呼びかけた。参加者は核実験の影響で島に住めなくなったことや、トラウマ(心的外傷)を抱えて生きるなど核被害の実態も発表し合った。

 参加者で広島の若者たちでつくる「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(カクワカ広島)のメンバー瀬戸麻由さん(31)=呉市=は「思いを共有し合える世界各国の仲間に会うことができ、核兵器廃絶に向けた連帯の必要性を改めて実感した」と話した。

(2022年6月19日朝刊掲載)

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