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岩国基地に外来機30機 米空軍訓練 市民は機能強化懸念

 山口県岩国市の米軍岩国基地に空軍ステルス戦闘機のF35AとF22ラプターの計30機が飛来し、約1カ月間にわたる訓練をしている。海軍と海兵隊の戦闘機が所属する岩国基地を拠点に、空軍の外来機30機が訓練するのは異例。基地機能の強化につながると市民団体から懸念の声が上がっている。

 米アラスカ州の基地に所属するF35Aは18機が4日までに、F22は米ハワイ州の基地から12機が16日までに降り立った。空軍の指揮の下に訓練しており、米軍は他の在日米軍基地の部隊と即応性を向上させるのが目的としている。

 例年6月は空母艦載機が岩国基地から離れ、基地周辺の騒音件数は減るが、18日までに287件の苦情が岩国市に寄せられている。昨年6月の1カ月間の173件を大幅に上回っている。米軍は土日曜は飛行しないと国に伝えており、岩国基地は「地域への影響を可能な限り緩和する努力をしている」とする。

 市民団体「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」は20日、両機種の飛来について米軍と国に抗議するよう岩国市に求めた。久米慶典顧問は「恒常的に基地の機能が強まる大きな変化だ。重要性を認識してほしい」と訴えた。市の穴水辰雄・基地政策担当部長は、住民への影響が大きい訓練をする場合の事前通知や騒音対策の徹底を国に求めていると説明し「引き続き騒音状況などを注視し、生活に影響があるようなら、しっかり対応する」と述べた。(有岡英俊)

(2022年6月21日朝刊掲載)

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