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「被爆者の森」木折れる 中区 北海道のライラック

 全国の被爆者団体が核兵器廃絶の願いを込めて47都道府県の県木などを植えた「被爆者の森」(広島市中区)で、北海道のライラック1本が根元近くで折れ、生育困難になったことが21日、分かった。昨年3月に植え直した木で、折れた原因は不明。維持管理を担う市は、再び植え直すことを検討している。

 ライラックは高さ約1・1メートル、根元の直径約2センチの若木だった。地面から10~20センチの位置で裂けるように折れていた。17日午後、発見した県原水禁代表委員の金子哲夫さん(73)が中区に連絡した。

 モクセイ科の低木ライラックは森が整備された1990年に植えられ、市が2019年3月の調査で枯死を確認。同じく枯れていた石川、高知両県の木とともに21年3月に植え直した。中区維持管理課は「原因は特定できないが残念。植え直しを検討したい」としている。故意に折られたかどうか分からないため、警察への被害届は出していないという。

 森は平和大通り東側の緑地帯にあり、広さ約1ヘクタール。日本被団協が整備し、市に寄贈した。20年10月には案内板などへの落書き被害があった。(明知隼二)

(2022年6月22日朝刊掲載)

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