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[核兵器禁止条約 第1回締約国会議] 廃絶へ「視野が広がった」 高校生大使 広島で帰国報告

世界に発信 決意新た

 核兵器禁止条約の第1回締約国会議に合わせ、オーストリア・ウィーンに高校生平和大使として派遣された近畿大付属広島高福山校3年の大内由紀子さん(18)=福山市=が23日、広島市役所で帰国報告の記者会見をした。関連イベント出席や同世代との交流を振り返り、原爆の実態や条約を多くの人に伝えていくと決意していた。

 大内さんは、市民団体「高校生平和大使派遣委員会」から派遣され、長崎代表の高校生平和大使1人と共に17~21日、ウィーンに滞在した。約80人の若者が参加した事前学習会で、核兵器廃絶への署名集めなど大使の活動を英語で紹介。オーストリア政府主催の国際会議なども傍聴した。

 自転車でウィーン市街地を行進したり、折り鶴の折り方を教える即席の講座を開いて同世代と交流したりもした。「核兵器の問題への視野が広がり、力をもらった。ただ原爆の惨禍がまだ海外にしっかり伝わっていない」と感じたという。

 日本政府は条約を批准しておらず、締約国会議へのオブザーバー参加も見送った。「日本国内でもっと条約を巡る議論が必要だと気付かされた」とも受け止めていた。今後、大使の活動などを通じ、核兵器廃絶の必要性を発信していく考えだという。(川上裕)

(2022年6月24日朝刊掲載)

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