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被爆建物訪れ あの日を思う 広島市企画 17人参加

 被爆建物を巡って平和について学ぶ催しが25日、広島市中区の平和記念公園などであった。被爆者が高齢化する中、建物を通じて原爆投下直後の様子を感じてもらおうと市が企画した。参加した17人は現代に残る「証人」へ思いをはせた。

 「廣島・ヒロシマ・広島を歩いて考える会」の多賀俊介さん(72)が案内。レストハウスの地下室では「ドーンというかなり大きな音が聞こえてきた」と、その場にいた被爆者の証言を朗読した。多賀さんは「映像で見るだけでは(被爆の状況を)感じることはできない」と被爆建物を残す大切さを強調。被爆遺構展示館でも、実際に残る民家や道路の跡について解説した。

 参加者は、袋町小の平和資料館も訪問。校舎の壁に残された行方不明の家族を捜す伝言に見入っていた。パート西村明美さん(62)=広島市西区=は「当時の人々も私たちと同じ日常があり、家族を思いやっていたことが分かった」と話した。

(2022年6月26日朝刊掲載)

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