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グテレス氏 8・6式典へ 国連事務総長 12年ぶり

 広島市は30日、国連のグテレス事務総長が8月6日に営まれる平和記念式典に参列すると明らかにした。松井一実市長宛てに出席を伝えるメールが6月29日に届いた。実現すれば、グテレス氏は初めての参列となる。国連事務総長としては、2010年に前事務総長の潘基文(バン・キムン)氏が初出席して以来12年ぶり。

 市は5月31日に式典への招待状を国連に送付した。6月29日に国連事務総長室から「招待いただき感謝します。謹んで招待をお受けします」との内容で市側に返信があった。

 グテレス氏は「核兵器なき世界」の重要性を一貫して主張。6月21~23日にオーストリア・ウィーンであった核兵器禁止条約第1回締約国会議でもビデオ演説で同様の考えを示した。市は「出席される際にはぜひ式典の中で直接メッセージを語ってもらいたい」としている。

 原爆資料館を見学するかなど、具体的な日程や行程は決まっていない。今後、市が国連や外務省と調整する。

 グテレス氏は20、21年にも参列の意向を示したが、新型コロナウイルス感染拡大による入国制限を受けて断念していた。20年には式典に出席できない代わりにビデオメッセージを届け、「核兵器の危険を完全に排除する唯一の方法は、核兵器を完全に廃絶することだ」と述べた。(新山創)

(2022年7月1日朝刊掲載)

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