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被災者の苦労 海外に発信 広島女学院大生が紙芝居英訳版 日米3ヵ所つなぎ上演

 広島女学院大(広島市東区)の1、2年生12人が、福島第1原発事故に遭った高齢女性の避難生活を描いた紙芝居「見えない雲の下で」の英訳版を作った。12月7日午前9時から開く上演会は、会場を含む日米の計3カ所をインターネットでつないで中継する。(永里真弓)

 紙芝居のオリジナル版は、広島市の市民グループ「まち物語制作委員会」がつくった。浪江町から福島県内の仮設住宅に逃れ、昨年6月に84歳で亡くなった佐々木ヤス子さんの手記を基にしている。

 委員会の上演を見た同大1年の有志が協力を申し出て、英訳作業を引き受けた。米ジョージア州のウエスレヤン大に留学中の2年二之方良枝さん(20)が中心となって作業した。

 上演会は、広島女学院大の教室でパソコン上に画面を映す。ナレーションは同大学生、せりふはウエスレヤン大の留学生が読み上げる。同時に福島県桑折町の仮設住宅では避難中の浪江町民、ウエスレヤン大でも学生たちが視聴する。上演後に、浪江町民がいまの暮らしを報告する機会も設ける。

 広島女学院大の教室では、一般参加も受け付ける。1年の吉村巴恵さん(18)は「委員会の活動に触れ、被災者の苦しい現状を海外を含めて広く伝えなければと思った」と話している。同大宗教センターTel082(228)0415。

(2013年11月15日朝刊掲載)

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