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島根2号機の安全審査、20日にも地元手続き 中電、島根県、松江市に了解申し入れ

 中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)2号機(出力82万キロワット)で再稼働の前提となる安全審査の申請について、中電が20日にも立地する島根県、松江市に申請の事前了解を申し入れる見通しとなったことが15日、分かった。島根県と松江市が了解すれば、中電は年内に原子力規制委員会へ申請する方針。

 福島第1原発事故の教訓から発足した規制委の下、島根原発で初めて再稼働に向けた手続きが始まる。

 関係者によると、中電は申請書類の準備をほぼ終えた。目標とする早期の再稼働には県、市に加え、19日に開会する県議会などでの説明が必要と判断。県と市の動向も踏まえ、20日にも申し入れることを検討している。

 県と市は中電と結ぶ安全協定に基づき、事前了解を得るよう中電に求めている。今後、それぞれの議会などでの議論を経て、申請を認めるかどうかを決める。現時点では溝口善兵衛知事、松浦正敬市長とも、申請手続きを進めることは認める立場。安全性は、規制委の審査結果を受け判断する考え。

 この判断とは別に、再稼働には県と市の同意も必要となる。両者とも、同意には国が稼働の必要性を認めることを条件としている。

 県と松江市を除く原発30キロ圏の鳥取県と出雲、雲南、安来、米子、境港の5市も申請前の説明を求めており中電は応じる方針。

 中電は、完成間近の3号機(出力137万3千キロワット)でも申請準備を進めているが、2号機の申請を先行させる。中電は「日程は申し上げる状況にない」としている。

 2号機は2012年1月に定期検査入りして以来、停止している。中電は、規制委が7月に施行した新規制基準に対応した工事を進めており、14年度中に終える。(樋口浩二、山瀬隆弘)

安全審査
 電力会社が原発を再稼働させるのに欠かせない原子力規制委員会の審査。規制委が福島第1原発事故を踏まえ地震、津波対策などを強化した規制基準に適合することが必要。これまで5電力が計14基の安全審査を申請したが、福島第1、島根と同じ沸騰水型は、東京電力が9月に申請した柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)だけ。

(2013年11月16日朝刊掲載)

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