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[ヒロシマの空白] 被爆死814人 遺族捜す 広島市、全国に名簿発送

 広島市は5日、原爆供養塔に納められた約7万人の遺骨のうち、名前が判明しながら遺族に引き取られていない814人を載せた名簿を、全国の自治体や被爆者団体に発送した。15日から10月末まで公共施設の掲示板などに張り出してもらい、情報提供を求める。

 名簿は五十音順に名前を記載したB1判とB2判の2種類の紙で、一部の人については手掛かりとなる住所や年齢、勤務先などを書き添えている。市職員2人が市役所で名簿を封筒に入れ、都道府県や市町村、各地の被爆者団体など1986カ所に送った。市内の公民館や図書館など157カ所にも掲示する。

 市は1968年に名簿の公開を始め、85年から全国に送っている。公開以降、848人の遺骨が引き取られた。市原爆被害対策部調査課の黒田信幸課長補佐は「問い合わせは年々減っているが遺族が見つかることもある。一人でも多くの遺骨を家族に返したい」と願っていた。(余村泰樹)

(2022年7月6日朝刊掲載)

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