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社説・コラム

[ザ☆定番!] 世界遺産航路(アクアネット広島) ドームや多島美 船から

 広島の二つの世界遺産、原爆ドーム(広島市中区)と厳島神社(廿日市市)のある宮島を結ぶ観光航路。アクアネット広島(中区)が2003年に不定期で運航を始め、今年で20年目の節目を迎える。

 1日、原爆ドームそばの桟橋から観光船(13トン)に乗った。晴天の下、吹き抜ける風を感じながら本川を南進。広島湾に出ると一気に加速し、水しぶきを上げながら進む船内でスタッフが似島(南区)や江田島の場所や歴史を紹介してくれた。片道18キロを約45分で航行し、宮島桟橋に着いた。

 05年に定期航路となって以降、太田川水系の川面から眺める街並みや、瀬戸内海の多島美を満喫できる観光資源として定着。外国人観光客にも人気を集め、19年度は過去最多の約19万2千人が乗船した。だが、新型コロナウイルスが感染拡大した20年度以降、利用客は約2割に激減した。

 てこ入れを図ろうと今年5月、宮島と宮島口をつなぐ新航路を設けた。両区間を結ぶ定期旅客航路は68年ぶりの新規参入。世界遺産航路とのセット割引も用意し、22年度の乗客は前年同期を上回っている。

 アクアネット広島の山中敏裕取締役は「夏休みや秋の行楽シーズンに向け、観光客も増えるはず。『水の都』ならではの観光を再びアピールしたい」と力を込める。(小川満久)

 ≪メモ≫通常は1日17往復だが、現在は新型コロナウイルス禍で10~15往復に減便している。観光船は13~14トンの小型船で定員は50~60人程度。料金は大人片道2200円。宮島口―宮島間(大人片道400円)のセット乗船券は2300円。潮の干満の影響で、本川ではなく元安川を経由する場合もある。

(2022年7月7日朝刊掲載)

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