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[2022参院選] 9条改正「賛成」過半数 本社電話世論調査 前回から大幅増 露侵攻で意識変化か

 中国新聞社が2~5日に広島県内で実施した参院選(10日投開票)の情勢を探る電話世論調査で、憲法9条改正への賛成の姿勢が半数を超えた。2019年の前回選から18・6ポイントと大幅に伸び、賛否が逆転した。ロシアによるウクライナ侵攻を機にした世界の安全保障環境の急変が、有権者の意識に変化をもたらしたとみられる。(城戸良彰)

 憲法9条の改正について、「賛成」と「どちらかといえば賛成」の合計は51・3%。「反対」と「どちらかといえば反対」の合計は40・6%で、その差は10・7ポイントだった。

 19年の前回選では反対姿勢50・6%に対し賛成姿勢32・7%、16年の前々回選では反対姿勢50・2%に対し、賛成姿勢33・2%。いずれも20ポイント近い差で、反対姿勢が上回っていた。

 一方、今回の参院選で最も関心のあるテーマを「外交・安全保障」と答えた人に限れば、賛成姿勢は70・6%。反対姿勢の27・0%を大きく超えており、安全保障への不安が9条改正と結び付いた結果となった。

 参院選は、憲法改正に前向きな「改憲勢力」が国会発議に必要な3分の2以上の議席を維持するかが焦点になっている。自民党や日本維新の会は9条への自衛隊の明記を掲げる。公明党は明記を「検討」、国民民主党は「議論を進める」としている。

 一方、立憲民主党は、戦力不保持などを定める9条2項が法的拘束力を失うとして自民党案に反対。共産党は憲法の全条項堅持、れいわ新選組、社民党も改憲反対を掲げる。NHK党は党首が9条改正に言及している。

 世論調査は、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施。県内の有権者1030人から回答を得た。

(2022年7月7日朝刊掲載)

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