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首相 開幕日演説で調整 NPT会議 被爆の惨状を発信

 岸田文雄首相は、米ニューヨークの国連本部で開かれる核拡散防止条約(NPT)再検討会議について、開幕日の8月1日に演説する方向で最終調整に入ったことが7日、分かった。被爆地広島選出の政治家として「核兵器のない世界」に向けた取り組みを前進させる決意を示すとみられる。

 NPT再検討会議は加盟191カ国・地域が核軍縮の道筋を探る場で、2015年以来7年ぶりに開かれる。複数の政府関係者によると、首相は7月31日に政府専用機で日本を出発。8月3日が有力な参院選後の臨時国会召集に間に合うよう2日に帰国する予定だ。

 再検討会議への出席は外相としてスピーチした15年以来、2度目。他国は閣僚や政府機関代表の出席が目立つ中、首脳の出席は異例とされる。演説ではNPT加盟国であるロシアがウクライナに核の脅しを続ける中、改めて地元広島の被爆の惨状を発信。核兵器使用の脅威や削減の必要性を訴えるもようだ。

 8月26日までの会期中、岸田政権で核軍縮・不拡散問題などを担う、広島の被爆2世の寺田稔首相補佐官が各国との実務交渉に当たる見通しだ。(樋口浩二)

(2022年7月8日朝刊掲載)

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