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[ひろフェス 2022] 佐伯区でウクライナ出身アニメーター 「平和戻ると信じている」

母国への思い 中学生に

 ウクライナ出身で広島市に滞在中のアニメーター、ナタ・メトルークさん(39)が、佐伯区の城山中で講演した。全校生徒約300人を前に、ロシアの侵攻を受ける母国への思いを語った。

 メトルークさんは26歳で米国に移住するまで、ウクライナ東部ハルキウで過ごした。現地には今も両親と妹たちが暮らしている。6日に訪れた同校体育館で、ウクライナ国旗と同じ青と黄のネコが、猛犬に立ち向かう姿を描いた自作の短編アニメーションなどを上映。長期化する戦況を案じながらも、「いつかウクライナに平和が戻ると信じている」と力を込めた。

 メトルークさんは8月に開幕する「ひろしま国際平和文化祭」(ひろフェス)の一環で6月に来日。地元に滞在して制作に取り組む招聘(しょうへい)作家3人のうちの1人として、広島市内のアパートに住み創作を続けている。期間は半年。講演は、メトルークさんの滞在を知った学校側が依頼した。

 3年西田蓮成貴(れなき)さん(14)は「ウクライナを心配する気持ちが言葉からも作品からも伝わってきた。勉強や運動が当たり前にできる平和の大切さが分かった」と話していた。(山田祐)

(2022年7月9日朝刊掲載)

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