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基町高生→修学旅行生 原爆の惨状 体験談聞き制作 同世代に伝える

 被爆者から体験談を聞いて「原爆の絵」を描いている基町高(広島市中区)の生徒が、広島を訪れた修学旅行生と広島国際会議場(同)で交流し、絵を見せながら、制作を通して学んだことや絵に込めた思いを話した。

 参加したのは、創造表現コースの2、3年生5人。それぞれ死体でいっぱいになった5台のトラックや、倒壊した学校の下敷きになった遺体など被爆直後の惨状を昨年12月から約半年かけて描いた。被爆者に聞いた様子を忠実に表現している。

 千葉県から訪れた八千代高の2年生325人を前に、自作の油絵をスクリーンに拡大して示しながら、苦労した点などを説明。大やけどで皮膚が垂れ下がった負傷者を描いた3年高山愛季さん(18)は「見たことのない場面を描くのは難しかった。この情景以上に悲惨な出来事が起きたことを知ってほしい」と呼び掛けた。

 八千代高の生徒も「目を背けずにちゃんと見ないといけない」などと感想を述べた。2年宮野萌さん(17)は「絵を通して原爆のひどさを伝えようとしている姿に刺激を受けた」と話していた。

 基町高は、被爆体験の継承を目指す原爆資料館(中区)の依頼を受け、2007年度から原爆の絵の制作に取り組んでいる。毎年、希望する生徒が放課後などを利用して10回程度、被爆者に面会。印象に残っている場面を基に仕上げている。

 基町高の取り組みを知った八千代高が、平和について同世代との触れ合いを通して学ぼうと、今回の交流を企画。広島では原爆資料館や平和記念公園も見学した。(増田咲子)

(2013年11月18日朝刊掲載)

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