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広島市長「意義あった」 核禁条約会議出席で成果

 広島市の松井一実市長は11日、日本記者クラブ主催のオンライン会見に臨み、自身が出席した核兵器禁止条約第1回締約国会議の成果などを語った。核兵器廃絶に向けた宣言と行動計画を採択した締約国会議を「極めて意義があった」と振り返り、オブザーバー参加を見送った日本政府に方針転換するよう求めた。

 松井市長は国内外約8千都市の連帯組織「平和首長会議」の会長として、6月21~23日にオーストリア・ウィーンであった締約国会議でスピーチした。この日の会見では核兵器廃絶や平和への国際的な努力が「ロシアによるウクライナ侵攻で無になってはいけないと指摘した」と強調した。

 ウィーンで松井市長は、日本と同様に安全保障を核兵器に頼りながらもオブザーバー参加したオーストラリアとノルウェー両国の政府代表たちと面会した。オブザーバー参加した理由を尋ねたところ、情報収集や核兵器保有国が加盟する核拡散防止条約(NPT)との関係性の確認、対話が目的だったとの説明を受けたという。

 松井市長は「保有国との調整を優先させる手順にこだわらなくても核兵器のない世界を目指せる」と述べ、来年の第2回締約国会議へのオブザーバー参加を日本政府に働きかけていく考えを示した。

 来年5月に広島市で開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)については「被爆の実態に触れてもらう機会を必ず設けてもらうよう政府にお願いする」と述べた。(小林可奈)

(2022年7月12日朝刊掲載)

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