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祈りの日も予防徹底 コロナ禍の8・6式典 参列席 3550に増やし抽選

 広島市は、8月6日に営む平和記念式典の新型コロナウイルス感染対策を固めた。会場の平和記念公園(中区)では、原爆資料館や広島国際会議場を含むエリアで一般の入場を規制し、原爆慰霊碑に参拝する一方通行のルートを設ける。参列席は2020、21年より増やし、平和の発信と感染予防の両立を図る。(余村泰樹)

 入場規制は午前5~9時。範囲は、東西が元安川と本川に挟まれた中州の大部分で、南北が平和大通りの北側付近から元安橋と本川橋を結ぶ園内の道路までとなる。午前5~7時に原爆慰霊碑前を通り抜けるルートを設け、市民たちの慰霊の時間を確保する。

 参列席は20、21年の880席から3550席と増やし、初めて参列者を公募。応募者多数のため抽選した。倍率は、250席の被爆者・遺族席は3・4倍、千席の一般席は、被爆者・遺族席で落選した人も含めて1・7倍、平和学習で訪れる小中学生向け(1200席)は1・3倍だった。市は熱中症予防のため、参列者に会話の際以外はマスク着用を求めない。

 密集を防ぐため、自由席は20、21年と同様に設けておらず、市は一般来場は自粛を呼びかける。市市民局の末政直美次長は「参列席に多数の応募があったのは、原爆死没者の慰霊と世界恒久平和の願いの表れだと思う。出席できない人もそれぞれの場所で平和を祈り、心の中で参加してほしい」としている。

(2022年7月13日朝刊掲載)

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