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戦艦「河内」 犠牲者悼む 1918年に爆発沈没 周南で慰霊祭

 1918年、周南市沖の徳山湾に停泊中、原因不明の爆発で沈没した戦艦「河内(かわち)」の乗組員を追悼する慰霊祭が104年目の命日に当たる12日、同市政所の善宗寺で営まれた。市民たち16人が参列し、亡くなった621人の冥福を祈った。

 新南陽地区の11寺院でつくる新南陽仏教団が開いた。参列者たちは読経し、焼香して手を合わせた。香川行信団長(57)は「地元でも戦争にまつわる惨事が起こったことを法要を通じて伝え、平和を考える契機にしたい」と話した。

 105年目になる来年に向け、仏教団はこの日、621人の芳名録の作成も始めた。爆沈場所から北西約3キロの仙島に建てられた慰霊碑に安置する。

 河内は1912年に完成した排水量2万800トン、全長152・4メートルの巨大戦艦。18年7月12日、2回の爆発で1020人の乗組員の半数以上が死亡した。翌19年に慰霊碑が建てられ、旧海軍が毎年慰霊祭を開き、戦後、仏教団が引き継いだ。慰霊碑前の法要は2018年を最後に5年ごとにし、その他の年は仏教団の寺で営むことにしている。 (中井幹夫)

(2022年7月13日朝刊掲載)

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