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ひろしまラウンドテーブル議長声明 核の先制不使用 確約を 台湾情勢受け米中は名指し

 広島市と米国などをオンラインで結んで開かれていた核軍縮・軍備管理を巡る有識者会議「ひろしまラウンドテーブル」は最終日の13日、議長声明をまとめた。ロシアのウクライナ侵攻に伴い、世界で核抑止を強化する兆しがあると懸念を表明。台湾を巡って軍事的な緊張が高まる中、米国と中国に対し、核兵器による先制攻撃をしないと約束するよう求めた。

 声明は、全ての核兵器保有国に「先制不使用」の宣言を要請。特に米国と中国は台湾情勢に絡めて名指しした。核の傘の下にある全ての国へは宣言の支持を要求。6月に第1回締約国会議のあった核兵器禁止条約にも触れ、批准していない日本へは、会議へのオブザーバー参加と条約の有効性を高める貢献を促した。

 広島市中区で記者会見した東京大客員教授の藤原帰一議長は、米国と中国の先制不使用宣言が、台湾を巡る軍事的な緊張を和らげると指摘。「中国からの参加者とも台湾で核兵器が使われてはならない点は共有された」と述べた。同席したオーストラリアのギャレス・エバンス元外相も「核のリスク削減に真剣に取り組むべきだ」と訴えた。

 有識者会議は広島県と県が主導する官民組織「へいわ創造機構ひろしま」(HOPe)が主催。5カ国の核軍縮の専門家たち18人が参加した。(宮野史康)

(2022年7月14日朝刊掲載)

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