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「ヒロシマ・アピールズ」 ポスター制作佐藤可士和さん 反戦反核 未来願う光

 核兵器廃絶や平和の尊さを国内外に訴える2022年版「ヒロシマ・アピールズ」ポスターが15日、発表された。クリエーティブディレクター佐藤可士和(かしわ)さん(57)=東京都=が制作。ロシアによるウクライナ侵攻や核兵器による威嚇を踏まえ、反戦反核のメッセージをまっすぐに伝えている。

 タイトルは「NO NUKES NO WAR」。核兵器と戦争を否定する言葉が画面いっぱいの文字で表現されている。「O」の部分は、形状の「輪」と平和の「和」のイメージを結んだ。「平和の実現を心から願う未来に向けての希望の光」の意味を込め、黄色の円に描いたという。

 この日広島市役所を訪れた佐藤さんは、松井一実市長にポスターを手渡し「核使用が懸念される今だからこそストレートに声を上げる必要があると感じた」と思いを語った。

 佐藤さんは東京都出身。国立新美術館(東京)のシンボルマークをデザインしたほかユニクロや楽天など企業や事業のブランディングを含めた包括的デザイン手法で知られる。昨年は同美術館で個展も開かれた。

 ポスター制作は、日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)広島地区、広島国際文化財団、ヒロシマ平和創造基金の主催。1983年に始め、一時中断を経て2005年に再開した。毎年、日本を代表するアーティストに制作を依頼し、今回で26作目となる。

 B1判で2千枚印刷。広島市立中高に配るほか、原爆資料館などで1枚1100円で販売。市内のバス停にも掲示する。20~25日、中区の合人社ウエンディひと・まちプラザで開かれる「ヒロシマ平和ポスター展」でも展示される。(森田裕美)

(2022年7月16日朝刊掲載)

まっすぐに「NO NUKES」 「ヒロシマ・アピールズ」ポスター、今年は佐藤可士和さん

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