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米給油機 先行移転受け入れ見通し 岩国市長 来月 判断表明へ

 山口県岩国市の福田良彦市長は20日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)のKC130空中給油機15機を来年6~9月に米海兵隊岩国基地に先行移転するとの政府の要請をめぐり、県と協議を進めていることを明らかにした。関係者によると、先行移転を受け入れる見通しという。

 福田市長は市役所で記者団の取材に応じ、先行移転について結論は出ていないとした上で、「問題点や課題について県と協議中。それが固まったら国に照会をかける」と述べた。関係者によると、12月の市議会定例会で受け入れの考えを示すとみられる。

 市は、空中給油機の移転自体は容認しつつも、「普天間の移設問題に見通しが立つまでは受け入れを認めない」との立場を貫いてきた。

 だが政府は10月末、日米間の協議を踏まえ、「沖縄の基地負担の軽減を目に見える形で進めたい」として、先行移転の方針を山口県と市に伝えた。

 これを受け、福田市長は今月中旬、判断の材料とするために沖縄県を訪れ、仲井真(なかいま)弘多(ひろかず)知事や宜野湾市の佐喜真淳市長たちと会談。「負担軽減の必要性をあらためて感じた」と、政府方針に一定の理解を示していた。(野田華奈子)

KC130空中給油機
 空中でほかの航空機に給油する任務や、部隊や物資などの輸送にあたる。計画では、訓練は海上自衛隊鹿屋基地(鹿児島県鹿屋市)とグアムとのローテーションで展開。米軍普天間飛行場には、2012年11月時点で15機が配備されており、基地監視団体によると米海兵隊岩国基地にも年に100回以上飛来している。

(2013年11月21日朝刊掲載)

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