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江戸期の医学資料初公開 広島大の医学資料館 来月 20年ぶり展示一新

 広島大医学部医学資料館(広島市南区)は8月1日、展示内容を約20年ぶりに刷新し、リニューアルオープンする。爆心地として知られる島病院(現島内科医院、中区)の旧医院跡(安芸区)から昨年3月に見つかった江戸-明治期の医学資料を初めて公開する。

 初公開するのは、国内初の銅版印刷による解剖図「内象銅版(ないしょうどうばん)図」(1808年)や、箕作阮甫(みつくりげんぽ)の「外科必読」の写本全6巻(1800年代前半)、明治期の医学生の受講ノートなど12点。いずれも、島病院の先祖が江戸期から中野村(現安芸区)で営んでいた医院跡から見つかり、寄贈を受けていた。

 医学資料館は広島大霞キャンパス内にあり、江戸期などの医学資料約千点を展示している。今回、初公開資料を中心に「広島の医学」コーナーを新設し、地域医療の展示を充実させる。広島大原爆放射線医科学研究所の久保田明子助教は「先進的だった当時の地域医療の様子を広く知ってもらいたい」と期待する。現在は休館中で、1日から開館する。

 資料の初公開を記念した講演会が7月29日午後1時半、霞キャンパスの広仁会館である。広島大75年史編纂(へんさん)室の石田雅春准教授、久保田助教たちが、資料の由来や発見に至る経緯などを語る。定員60人で事前予約が必要。医学資料館の見学会もある。同館事務室☎082(257)5099。(桑島美帆)

(2022年7月16日朝刊掲載)

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