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移転計画巡り意見交換 広島市中央図書館 反対の3団体と市長

 広島市による中央図書館(中区)などのJR広島駅前の商業施設エールエールA館(南区)への移転計画について、移転に反対する市民団体「広島文学資料保全の会」などが15日、松井一実市長と意見交換した。現在図書館がある中央公園内での再整備や図書館内の広島文学資料室拡充を求めた。

 同会と「鈴木三重吉赤い鳥の会」、被爆作家の原民喜を顕彰する「広島花幻忌の会」の3団体のメンバー8人が市役所を訪れ、松井市長と面会。移転中止や文学資料の保存管理の充実と積極的な活用を要望した。

 意見交換は非公開。保全の会の土屋時子代表たちによると、松井市長は現地建て替えと公園内での移転、A館への移転の3案の詳細な比較資料を作る考えや、文学資料の保存・活用について十分に検討する意向を示したという。土屋代表は「商業施設は貴重な資料の保存場所にふさわしくない。市民が納得できる計画にしてほしい」と話した。

 図書館の再整備を巡っては、A館へ移す市の予算が3月の市議会で成立した。ただ、市議会は議論が不十分だとして、現地建て替えや移転の比較資料を作り、理解を得て移転先を決めることなどを求める決議を可決した。(余村泰樹)

(2022年7月18日朝刊掲載)

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