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戦争の記憶 大学生が継承へ 福山の2施設訪問 証言も聞く

 広島経済大(広島市安佐南区)と広島市立大(同)、安田女子大(同)の学生と教員計20人が16日、戦争を語り継ぐ福山市内の2施設を巡った。証言や学んだ内容を卒業論文やレポートにまとめ、次世代に戦争の記憶を継承する。

 午前中にホロコースト記念館(福山市御幸町)を訪ね、ユダヤ人虐殺の経緯などを学んだ。午後には市人権平和資料館(同市丸之内)で同館職員の市川晴子さん(72)の証言を聞いた。

 市川さんは、看護師として中国戦線で軍人の治療に当たった母親の岡泰子さん(102)の体験談を紹介。「物資不足で母は重傷の兵士の看病を諦めざるを得ず、当時のことをいまだに悪夢で見るという。母の戦争はまだ終わっていない」と訴えた。学生はうなずきながら熱心にメモを取っていた。

 負の遺産を訪ねる「ダークツーリズム」の一環として広島経済大経済学部の竹林栄治准教授(56)が企画した。同大3年の児玉謙吾さん(20)は「印象に残る話だった。伝え続けることが平和の鍵になると信じたい」と話していた。(猪股修平)

(2022年7月17日朝刊掲載)

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