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被爆ピアノ 元日に演奏会 平和公園で9組出演

 広島市安佐南区の調律師矢川光則さん(61)が来年の元日午後1時から、中区の平和記念公園で被爆ピアノを奏でるコンサートを開く。8月6日に毎年開いているが、元日は初めて。無料。

 爆心地から2・6キロの南区段原山崎町で被爆したピアノを使う。鍵盤のふたには爆風で飛んだガラス片の傷が残る。1930年代後半のドイツ製で、2009年5月に女性から譲り受けた。

 コンサートは、原爆資料館東館北側にある被爆樹木アオギリの前で開く。県内外のシンガー・ソングライターやジャズピアニストたち9組が出演。ソプラノ歌手が伴奏付きで被爆ピアノにまつわる詩の朗読もする。

 矢川さんは01年から毎年、8月6日にコンサートを開いている。昨年の元日、同公園を訪れ、手を合わせる人の姿を見たのをきっかけに、今回の開催を企画した。矢川さんは「身が引き締まるような空気を感じた。静かな雰囲気の中、年頭に犠牲者を供養したい」と話している。Tel082(848)9533。(山本祐司)

(2013年11月21日朝刊掲載)

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