×

ニュース

図書館3案 詳細比較へ 現在地/中央公園内/エールエールA館 広島市 民間業者に委託

 広島市中区の中央公園にある市立中央図書館などの再整備計画で、市は現地建て替えと中央公園内での移転、JR広島駅前の商業施設エールエールA館(南区)への移転の3案について、事業費や集客効果の詳細な比較に乗り出す。A館への移転を最善とするが、市議会などから議論不足を指摘されていた。比較結果を公表し、市民の理解を得て年度内の方針決定を目指す。(余村泰樹)

 市が再整備するのは、同じ建物内にある中央図書館と映像文化ライブラリー、近くのこども図書館の3施設。A館に移転した場合に占める約1万3千平方メートルを想定して比較する。単体やビルへの入居など建物の形態▽建設費や維持費の概算事業費▽耐用年数▽仮施設の有無▽予想集客数▽周辺施設との連携―など11項目で比べる。調査や資料作りは中区の民間事業者に委託し、今月13日に1020万円で契約を結んだ。

 図書館の再整備を巡っては、市が2月、A館への移転を前提とした整備基本計画案に、利便性や概算整備費などを現地建て替えと比較した表を載せた。一方、一部の市議は関係者からの意見聴取や議論が不十分と指摘。市議会は3月、3案を詳細に比較検討した資料を作って移転先を決めるよう求める決議案を全会一致で可決した。

 市は現在、図書館に求められる機能を盛り込んだ整備方針案を策定中で、市民意見の募集などを経て年内に内容を固める。その方針を踏まえて3案の比較表を作る。市生涯学習課の田尾雅之課長は「議会の決議に沿って丁寧に議論を進め、多くの市民が納得する計画にしたい」としている。

(2022年7月20日朝刊掲載)

年別アーカイブ