カザフに日本型の原発 18年完成目標
09年6月22日
カザフスタン北東部にある旧ソ連のセミパラチンスク核実験場に接する、かつての軍事閉鎖都市クルチャトフに、日本の技術を導入して発電効率の高い原子炉「高温ガス炉」による新型原子力発電所の1号機の建設が計画されていることが分かった。カザフスタン国立原子力センターのカディルジャノフ総裁が19日、共同通信に明らかにした。
同実験場は旧ソ連最大の核実験場で、1949~89年に450回を超す実験が繰り返された。
1号機は2018年に完成、22年ごろ稼働する計画。被爆国の日本と核実験による被曝(ひばく)国であるカザフが、原子力の平和利用で協力を深める象徴的な共同事業になりそうだ。
総裁によると、茨城県大洗町に研究用の高温ガス炉を持ち、世界最先端の実証試験を行ってきた日本原子力研究開発機構の技術を基礎に、東芝やカザフ国営原子力企業カザトムプロムなどと合弁企業の創設を協議中。日本側は半分程度を出資する方向で、ロシアとスロバキアも参加の意向を示しているという。
高温ガス炉は、カザフ政府が見直しを進めている国家原子力計画に盛り込む見通しで、大統領が最終的に承認すれば、カザフの他地域への事業調査にも着手する。
1号機の発電能力は5万キロワットで、暖房用温熱も供給する方針。予算は5億ドル(約480億円)以上で、カザフ側は日本の国際協力銀行に資金協力を要請しているという。
総裁は高温ガス炉を「将来性のある事業」と高く評価。核実験による被曝で健康被害が相次いだだけに「周辺住民の多くは原子力という言葉に拒否反応を示すが、問題は克服できると思う」と強調した。
(共同通信2009年6月20日配信、6月21日朝刊掲載)
同実験場は旧ソ連最大の核実験場で、1949~89年に450回を超す実験が繰り返された。
1号機は2018年に完成、22年ごろ稼働する計画。被爆国の日本と核実験による被曝(ひばく)国であるカザフが、原子力の平和利用で協力を深める象徴的な共同事業になりそうだ。
総裁によると、茨城県大洗町に研究用の高温ガス炉を持ち、世界最先端の実証試験を行ってきた日本原子力研究開発機構の技術を基礎に、東芝やカザフ国営原子力企業カザトムプロムなどと合弁企業の創設を協議中。日本側は半分程度を出資する方向で、ロシアとスロバキアも参加の意向を示しているという。
高温ガス炉は、カザフ政府が見直しを進めている国家原子力計画に盛り込む見通しで、大統領が最終的に承認すれば、カザフの他地域への事業調査にも着手する。
1号機の発電能力は5万キロワットで、暖房用温熱も供給する方針。予算は5億ドル(約480億円)以上で、カザフ側は日本の国際協力銀行に資金協力を要請しているという。
総裁は高温ガス炉を「将来性のある事業」と高く評価。核実験による被曝で健康被害が相次いだだけに「周辺住民の多くは原子力という言葉に拒否反応を示すが、問題は克服できると思う」と強調した。
(共同通信2009年6月20日配信、6月21日朝刊掲載)