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被爆2世の思い世界へ 来月NPT会議 広島市役所で抱負

 8月に米ニューヨークである核拡散防止条約(NPT)再検討会議に合わせて現地訪問を予定する広島県内の被爆2世2人が20日、広島市役所で記者会見し、被爆地からの核廃絶の訴えに向けた抱負を語った。全国被爆二世団体連絡協議会(二世協)の派遣団の一員として活動する。

 2人は、広島県被爆二世団体連絡協議会の角田拓事務局長(59)=広島市東区=と上野勢以子(せいこ)さん(65)=三次市。いずれも母親が広島市内で被爆した。長崎の被爆2世2人と共に7月29日~8月5日の日程で現地を訪れる。元高校生平和大使で広島の被爆3世の2人も同行する。

 二世協は8月2日に国連本部でサイドイベントを開く。被爆2世が背負う苦悩や核のない世界の実現を、各国の政府代表や非政府組織(NGO)のメンバーたちに訴える。NGOの集会やパレードへの参加も予定する。

 角田さんは「世代を超えて心身の苦しみをもたらす核兵器の実態を伝えたい」と強調。上野さんは被爆体験をあまり語らず64歳で亡くなった母に触れ「母の苦しみに寄り添いきれなかった。その後悔があるからこそ核兵器廃絶を強く訴える」と誓っていた。

 再検討会議は当初2020年に予定されていたが、新型コロナウイルス禍で延期された。(小林可奈)

(2022年7月21日朝刊掲載)

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