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「ぜひ被爆地訪問を」 オバマ氏4月来日 広島市長ら期待

 日米両政府がオバマ大統領の来年4月の来日方針を固めたのを受け、広島市の松井一実市長や被爆者たちは21日、被爆地訪問へ期待を高めた。

 松井市長は「ぜひ被爆地を訪問し、被爆者の体験や平和への思いを深く理解した上で、オバマ氏が目指す『核兵器のない世界』の実現へ取り組みを加速してほしい」との談話を発表した。昨年11月に東京の在日米国大使館を訪れ、被爆地訪問を働き掛けた。

 広島県の湯崎英彦知事は「被爆時の状況や立ち直った都市の様子に触れ、核兵器廃絶の具体策につなげてもらえれば」と話した。

 キャロライン・ケネディ駐日大使に大統領の被爆地訪問を後押しする役割を期待するのは、広島県被団協(坪井直理事長)の箕牧(みまき)智之事務局長(71)。「ぜひ大統領と一緒に広島を訪れ、平和な世界を築くため日米の絆を強めてほしい」と願う。

 一方、オバマ政権が核兵器の性能維持へ臨界前核実験や新たなタイプの核実験を重ねている事実に、「言行不一致」を指摘する声は強い。もう一つの県被団協(金子一士理事長)の大越和郎事務局長(73)は「核兵器廃絶の姿勢は見えない。広島訪問も期待しがたい」と冷静に受け止めた。(田中美千子、野崎建一郎)

(2013年11月22日朝刊掲載)

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